「空を青空に・芝の青を強調」で風景写真を鮮やかに調整【Photoshop 印刷向け色補正術】

今回のブログでは、ゴルフ場写真の「空を青空に・芝の青を強調」という赤字に対する作業です。今回も Photoshop の「トーンカーブ調整」を使って対応したい思います。空の青さと芝の青は異なる調整ですので、 マスキングして進行します。赤字にどのように対応するか見ていきましょう。
1. 空の調整

空の青さはイエローとブラックは必要ありません。今回の 空はイエローとマゼンタが多量に含まれますので、空部分 をマスキングの後、イエローの左下を 40%、マゼンタの 左下を30%スライドして、強力に排除します。
2. 空以外の部分を調整

空以外は緑が基調になっています。緑の表現はイエローと シアンですが、肝は「反対色」のマゼンタ調整です。今回 はマゼンタの左下を 25% スライドして大幅に下げること で相対的なシアンとイエローが強調され、青々とした芝が 表現できました。
3. お客様の好みをしっかり把握する

今回の調整結果は、お客様によって反応が分かれるかもし れません。風景写真を強力に調整してしまうと、現実との ツジツマが合わなくなってしまうことがあります。例えば 今回の写真の場合「空は雲ひとつない秋空なのに、芝が青 いのはありえない」などの指摘を受けた経験があります。 少しでも違和感を感じた場合、お客様としっかり意思疎通 をとることが大切です。
4. 画面を信用しすぎない

画面上や4色のアミ%を調整しても、実際の印刷物が想定 通りにならないことが良くあります。印刷機は様々な不確 定要素(気温・湿度・ローラー等消耗品の経過・用紙の白 色度など)が多く、微細な色調整を行う場合は量産機で印 刷してみないと把握できません。(本機校正と呼ばれます) 画面やデータは参考であり、信用しすぎないことがとても 大切です。