㈱TBM社が日本で自社開発・製造した、従来のストーンペーパーとは製法が異なる、石灰石からつくられた革命的新素材「LIMEX(ライメックス)」
サンエープリントでは2017年1月に国内で初めてH-UV印刷機を使用し、LIMEX(ライメックス)の印刷テストを実施しました。
また、同時に各種加工適正の検証も行い、断裁・折加工・綴加工等について社内での加工対応が可能であることを実証し、LIMEX(ライメックス)を使用する印刷物の受注を開始しました。
L I M E Xの印刷
LIMEXとは
環境保全や資源問題の改善に
大きく貢献できる可能性を秘めた革命的新素材
ライメックスは、炭酸カルシウムなどの無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料であり、紙・プラスチックの代替となる日本発の新素材です。
地球は石の星でもある
ライメックスの原料である石灰石は埋蔵量も多く、日本でも100%自給自足できる資源です。また世界各地の埋蔵量も豊富で、かつ高効率でリサイクルも可能なため、ほぼ無尽蔵と言っても過言ではありません。どこにでも豊富にある、決して貴重ではない資源だからこそ、未来を救える可能性が十分にあります。
紙を減らす石灰石
全世界の紙の消費量は、2030年に現在の約2倍になると予測されています。消費量の一部を、木を使わず、水を汚さずにつくるライメックスに置き換えることで、地球環境の保護につながります。
水と木を守る石灰石
ライメックスは、塗工印刷用紙と比較して、大量に消費する水を削減できます。また、紙をつくる原料に必要なパルプを一切使いません。石灰石を含む無機物約0.6t~0.8t、ポリオレフィン樹脂(ポリプロピレンなど)約0.2t~0.4tで、ライメックスをつくることができます。
LIMEXの特徴
石灰石から作られたライメックスは、紙の代わりとなる新素材。地球の水・森林資源問題に貢献し、使いやすさは普通紙以上。印刷も可能ですから、本やノートや名刺、ポスターなど様々な用途で使えます。
辿りついた軽さ
新しい製造技術を開発することにより、従来のストーンペーパーより大幅に軽く、品質も高く、しかも安くつくることができます。
高い耐水性
非常に高い耐水性の為、浴室や水回り、屋外や水中での利用が可能。水中での筆記も可能です。
高効率なリサイクル
LIMEXは原料が石だから、経年変化にも強く、高効率なリサイクルができる画期的な新素材です。
LIMEXとストーンペーパーとの違い
製造方法
LIMEXシートは、TBM社が独自開発した「熱可塑性樹脂に無機フィラーを高比率(50質量%以上)で均一分散させ溶融混練する技術」と、シート内の微小空隙を制御する「シートを均一に延伸する技術」を活かして製造されます。LIMEXはプラスチックの代替にもなり、シート状に押出したLIMEXシートはそのまま真空成形用のシートとして用いることができますし、またペレット状にしたLIMEXペレットは射出成形、インフレーション成形等によるプラスチック製品の代替品製造が可能です。
一方でストーンペーパーは、炭酸カルシウムと HDPE(高密度ポリエチレン)を原料に作製されたペレットをシート状に成形したものです。
物性
LIMEXシートはこれまでのストーンペーパーと比べて、下記のポイントが改善されています。
- 軽量化(ストーンペーパー比重は 1.0~1.2 に対して、LIMEX シート〈白色ソフト〉の比重は 0.9~1.2)
- 紙粉の発生が少ない
- 厚みの均一性が高い
- 光透過性と光拡散性に優れる(LIMEX シート〈半透明ハード〉の場合)
下記の表は横にフリックして全体を見ることができます。
LIMEXのリサイクルについて
LIMEX シートは、紙とプラスチック両方の特徴を持っており、回収した LIMEXを集める事で、マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルの両方が可能です。LIMEXをリサイクルする事で、地球資源の枯渇を一層抑制する事ができます。
- LIMEXシート製造や印刷時の廃材を再生ペレット化。また印刷物も回収すればペレット化が可能です。
- 再生ペレットの内白色のものについてはシート成形に再投入が可能です。
- シート成形に利用しない場合でも、再生ペレットから射出成形や押出成形を行い、プラスチックの代替成形物として再利用(アップサイクル )が可能です。
- その他の再生ペレットについても、燃料としてのサーマルリサイクルが可能です。
LIMEX製品の廃棄方法の留意点
LIMEXを既存の紙(古紙回収)やプラスチックの回収ルートには混ぜないでください。